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石川銀行破綻の爪痕8
8.保証協会
銀行を訪問した翌々週、信用保証協会を訪問し、経緯の説明と保証の依頼を行った。
経緯の説明はもうこれで9回目である。融資申込書10ページの内容全文を完全に暗記してしまった。
保証協会には、様々な保証のメニューがある。
運転資金、設備資金、円高対策資金、等など。
逆に言うと、メニューに当てはまらないイレギュラーな融資には保証は付けられないということだ。
今回の融資は強いて言えば 「再生資金」 に該当するらしい。
・企業の過大な債務が、整理回収機構に移管される
・銀行が整理回収機構から債権を買取る
・県の再生支援機構や商工会が、その企業を調査する
・調査の結果、再生可能と判断されれば、保証協会が1億円の保証をつける
・その保証を元に、銀行が1億円の再生資金を融資する
・企業は、銀行に返済を行う
ところが今回は、この銀行の役割を先にSPCが担っていた。
また、SPCの当初の所在地が、ラブホテルであったことも大きな問題となった。
SPCが購入した債権の債務者企業の住所を、彼らが借用したものと思われた。
保証協会の担当者はとても熱心に話を聞いてくれ、またM社長に同情的であった。
結局、理事会にまで諮って貰ったのであるが、最終的に保証は見送りとなってしまった。
大きな理由は、仮に保証を付けて融資を許容した場合、その資金はSPCへの返済資金となる。
民間の金融コンサルティング会社の利益を確定させるために(1億円-SPCが整理回収機構から仕入れた金額=SPCの利益)、国の保証を付与することは、制度に馴染まない、という理屈である。
平成21年10月初旬、保証協会の担当者から保証見送りの電話が入った。この時点で私は正直、今回の融資は無理だろうと思った。
理由はどうであれ整理回収機構送りになった案件であること、
融資姿勢に問題があるとされる日本振興銀行の会長が絡んでいること(逮捕されたのはもう少し後である)、
新規案件でプロパー融資(保証協会の保証が付かない融資=支払いがされなければ100%金融機関が損をする融資)の取組みとなる点、
これらを考えたときに、普通の金融機関なら好き好んで採り上げる案件では絶対に無いからである。
・・・・・・・・・・・・・ No.25
最後までお読み頂きありがとうございます。
次回もよろしくお願い致します。
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