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石川銀行破綻の爪痕7
7.銀行廻り
平成21年7月3日、10ページに及ぶ融資申込書と決算書など厚さにして8センチほどの資料を山のように携えて、朝から銀行廻りをスタートした。
一行につき説明に1時間、質疑に1時間、合計約2時間の内容である。同じ内容の繰り返しと折からの猛暑で、頭が廻らず意識が朦朧としてくる。
元気付けに昼食は好物の蕎麦にしてもらった。翌日も同じ事を繰り返し、合計8か所の金融機関を訪問した。
最初の銀行で指摘されたことを次に訪問する先での説明に織り交ぜていく。
後に行くほど説明や書類が洗練されてくるので、本命の金融機関を午後の最後に訪問する予定を組んだ。この辺りの工夫は、場数の賜物かも知れない。
同じ銀行でも、新任の支店長がいる店を選ぶ。
銀行マンにとって「支店長になる」ことは大きな目標である。
そして支店長のその後の処遇は、支店長として最初に着任した支店での成績で決まってくる。よって新任の支店長には多少無理をしてでも融資の成績を上げようとする心理が働く。
どこの支店の支店長が新任なのかは、日経新聞などに載るのでその情報を活用する。
約1か月の検討の後、訪問した8か所の銀行のうち、3つの銀行が前向きに検討してくれることとなった。
その3つの銀行では、整理回収機構送りになった点は、説明の甲斐があってか、理解を得られたものの、新規取引なのでどの金融機関からも保証協会の利用を条件とされた。
焦げ付いた場合に、金融機関が貸し付けた金額の80%を保証協会が負担してくれるからである。
・・・・・・・・・・・・・ No.24
最後までお読み頂きありがとうございます。
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