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石川銀行破綻の爪痕6(1)

2011 - 10/24 [Mon] - 09:00

6.借入申込書の作成(1)

「優先債務を借り換えたい」というM社長の要望を請けて、我々は融資申込書の作成に取り掛かった。平成21年6月のことである。

経営者や多くの再生アドバイザーが見過ごしていることの一つに、「書面」 の重要性がある。

(1)借入の申込みを 「書面」 で行うことの重要性

融資の申込みに行った時に、決裁権者である本店審査部門の担当者や支店の支店長が対応してくれることは有り得ない。通常は、お客様に一番近いところに座っている若手の融資課員が対応することになる。

懸命に事情を説明しその課員を納得させる事が出来たとしよう。

シャッターが閉まり重要書類の保管が終わる夕方以降になって、課員は上司に融資の申し出を報告する事になる。

しかし、こと融資の現場においては

「向こうからやってくる融資申込客は要注意」

であるのは常識となっている。こちらから申込みに行く時点で既に色眼鏡で見られている(警戒されている)のである。

報告を受けた融資課長に話が伝わる頃には、窓口で課員に熱意を以って伝わったはずの内容が半分ほどに減っている。融資課長の次は次長または副支店長である。

彼らに伝わる頃にはもう元の話は20%ほどに減っている。

支店長に伝わる頃には、跡形も無く、従ってその案件は否決される。

金融機関の人事査定は極端な減点主義であるから誰もがリスクを取らない。

その結果「向こうからやってくる怪しい客」の話をまともに取り合ってくれることは滅多にない。

こういう金融機関の内情を考えれば、書面で提出することの意義が分かって頂けると思う。書面の中で伝えたいことを100%書いていけば、その内容が保身に走る金融マンによって減らされることもなく、最終決裁権者にまで届く。

・・・・・・・・・・・・・ No.21

最後までお読み頂きありがとうございます。
次回もよろしくお願い致します。

【既に報道され公となっている名称や事実以外は、プライバシー考慮保護の観点からフィクションとさせて頂きますが、起こった現象は事実をお伝えしています。】

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