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石川銀行破綻の爪痕2
2.石川銀行の破綻
平成13年12月28日、石川銀行が経営破綻した。
金融庁の検査で貸出金を厳格に査定された結果、自己資本比率が国内銀行の最低基準である4%を下回ったためである。
破綻の一年前からは、行員たちは何とか自己資本を増強しようと奔走し、取引先を廻り株の購入を強引に迫ったそうで、M社長のところも娘さんの結婚資金の数千万円が紙くずになった。返還を求めて10年経った現在も係争中である。
石川銀行の頭取 高木茂と専務の川口睦は、英会話学校NOVA(平成19年10月経営破綻)の経営者 猿橋望(平成21年8月、実刑判決確定)に対して、
「好きなポストを差し上げますから、何とか65億円を貸してほしい」 と懇願した。
猿橋社長が「よし貸そう。銀行だから心配ないだろう」と答えると頭取らは喜びの余り
「NOVA銀行と思ってもらって結構です」
と持ち上げたそうである(「銀行の墓碑銘」 有森隆著 講談社 p.408)。
M社長の債務5億円は、結局整理回収機構に移管された。
「一度も返済を滞らせていないのに」 と驚いたそうである。何も不義理をしていなかったのに、いきなり整理回収機構送りにされたのだから、無理もない。
これは、破綻した平成13年には「私的整理ガイドライン」が策定され、またその前年には民事再生法が施行されるなどして、「借入金の償還は10年以内」というモノサシが銀行界の常識となっていたからである。
・・・・・・・・・・・・・ No.17
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