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事業再生 コンサルティング:社長応援日記

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台湾での不正調査13

2011 - 10/03 [Mon] - 09:00

おおかたの調査が終了した。
8月19日に成田を発ってから、4週間が過ぎていた。
監査法人のMパートナーを通して東京本社に一部始終を報告した。

報告の2日後、東京本社からT社長の上司がやって来た。
T社長は、その翌日、上司と一緒に台湾を後にした。

会社を出る前に彼は社員に挨拶をしていた。
幹部社員の二人がエレベーターまで見送りに出てきた。
涙をためているT社長を見て一瞬気の毒になったが、仕方が無い。彼の自業自得だ。

少々重い気持ちを引きずりながら、民生東路にあるホテルに戻った。
このホテルにも本当にお世話になった。

部屋で荷造りをしていると電話が鳴った。
台湾販社の経理部長からだ。なんと、慰労会をしてくれると言う。

シャワーを浴びてホテルの前からタクシーを拾う。
1か月も居るので、日常の会話は何とか出来るようになった。

指定された杭州南路の海鮮料理店に行くと、社員全員が待っていてくれた。
あのW課長もにこにこ顔で座っている。
これには思わず苦笑してしまった。何ともおおらかな国だ。

ビールで乾杯をした後は、紹興酒、高粱酒と続いた。
丸テーブル二つに座った17名の社員全員と乾杯して廻る。
3周廻ったところまでは記憶がはっきりしているが、それ以降は少々心もとない。

翌朝チェックアウトをしていると、社員がロビーに勢揃いしている。半数はいる。
聞けば空港まで見送ってくれると言う。

一緒にバスに乗った。
40分で空港に到着した。
出境と書かれたゲートの手前でお別れだ。
一人ひとりと握手をした。
次は遊びで台湾に来いと口々に言われた。

〝我一定再来台湾〟(また必ず台湾に来ます)と言おうとするのだが、涙で声にならない。
何度も握手をして、何度も振り返りながら、後ろ髪を引かれる思いでゲートをくぐった。

後日談であるが、T社長は福島県の工場に異動となり、その後ほどなくして自主退職したそうである。

また、台湾販社はL社長を詐欺破産罪で訴えることになった。
L社長はすぐさま中国に逃亡し、約1年後に、台湾の管轄裁判所宛に〝死亡届〟が中国から届き、裁判は被告人死亡により終結したそうである。

・・・・・・・・・・・・・ No.14

最後までお読み頂きありがとうございます。
次回もよろしくお願い致します。

【登場する名称・地名・日時等はフィクションとさせて頂きますが、起こった現象は出来るだけ事実に基づいてお伝えしています。】


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