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事業再生 コンサルティング:社長応援日記

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石川銀行破綻の爪痕6(3)

2011 - 10/31 [Mon] - 09:00

6.借入申込書の作成(3)

(3)問題点の列挙とその回答

今回の融資申込みでは、いくつかの問題が予想された。こういう場合には、借りる側自らが正直に、前もって問題点を列挙して、その一つ一つに回答を準備していくというスタイルが望ましい。これは私が銀行の融資部門時代に学んだことである。

予想される指摘と我々の回答は、以下の通りであった。

1.石川銀行が破綻した際に貸付金債権が整理回収機構に移管されているという事は、それだけ業績が悪かったという事ではないのか?

(弊社回答)
石川銀行からの借入金の返済期間ですが、別表の通り20年や30年と突出して長くなっております。当初からこのような長期の返済期間を許容されておりました。
平成13年に策定された私的整理ガイドラインの趣旨から考えますと返済期間として
は長くても10年が妥当だと考えますが、借入当時は石川銀行が弊社の返済能力に
合わせて返済期間を設定してくれていました。

ところが石川銀行が破綻し、「20年~30年」のモノサシが「10年」となり不良債権に
区分され、整理回収機構に移管されたものであると理解しております。

「業績が悪かったから整理回収機構に移管された」 のではなく、

「モノサシが変更された結果不良債権と区分され整理回収機構に移管された」

と考えております。

2.借り換え前の返済期限は平成27年9月となっている。即ち今回の申し出は、このまま返済を続ければ後6年で終わる支払い期間を10年に延長する一種のリスケ(条件変更)だと考えられる。

(1)リスケを依頼するなら現在の借入先に依頼するのが筋であるし、

(2)肩代わり資金を融資せよと言うならリスケではなく、借入期間も現行の条件と揃えるべきではないのか?

(弊社回答)
(1)のご指摘はごもっともだと考えますが、借入先のSPCからは毎月の報告会の席上で、「こういう情勢で皆さんの経営状況も決して楽観できない。一般の金融機関から借入を起こして早くうちを卒業してくれ(優先返済分を借り換えして完済してくれ)」 と言われております。今般の申し出はこういう背景もあってのことです。

(2)のご指摘についてもごもっともですが、我々は以下のように考えます。

①返済期間を現行の6年から10年に延長する理由は、資金繰りの改善のためです。現状でも支払いは不可能ではありませんが、将来の改装などに備えて返済期間を長く取りたいという趣旨です。

②また貸し手側から見た与信リスクは、

・今回の融資は、返済期間6年→10年の実質的リスケに応じる事と等しいが、10年
の期間を設定すれば、債務者企業においてその間に将来の改装費、修繕費の蓄え
が今よりも可能となり、将来それらの資金要請を受ける可能性が低くなり、リスケはす
るものの与信残高は減る一方である。

・返済期間を6年のままで融資に応じれば、実質的なリスケをするというリスクは回避
できるものの、債務者企業においては将来に備えた蓄えをする余裕が無くなるので、
改装費や修繕費の融資要請が来る可能性が高まり、要請に応じれば与信残高が増
えてしまう。

と、どちらにしても同じではないかと考えます。

即ち、実質的なリスケを許容してしまう与信リスクと、将来の融資残高が増えてしまうという与信リスクの比較衡量となるのではないか、と考える次第です。

・・・・・・・・・・・・・ No.23

最後までお読み頂きありがとうございます。
次回もよろしくお願い致します。

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