事業再生 コンサルティング:社長応援日記

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石川銀行破綻の爪痕10

2011 - 11/14 [Mon] - 09:00

10.融資実行

平成22年7月13日、数多くの難題があったものの、ようやく融資が実行された。M社長にお会いしてから1年4か月、最初の銀行訪問からちょうど1年が経過していた。

前項で書いた問題について、私どもがどう対応し解決したのかに関しては、大変長くなるので紙面の都合上、割愛せざるを得ない。しかし決して出し惜しみをするつもりは無いので、関心のある方はどうぞ私どもに直接連絡をお願いしたい。

再生アドバイザーである私が半ば諦めかけていた案件であるにも拘らず、プロパー融資を勇断しそのために奔走して下さったK銀行のU支店長には、私自身、今も心から感謝している。

なぜU支店長がそこまで献身的に動いてくれたのかを考えた時に、数百社の経営者と関わって来た私自身の経験からも、思い当たることがある。

それは経営者の〝人柄の良さ〟である。
ガイドラインに合致している、経済合理性にかなっている、手続きが透明である、等などと理屈を並べ立てても、金融機関がその経営者を〝救ってやろう〟と思っていなければ、結局は上手く行かない。

M社長と奥様は、日本昔話に出てきそうな今どき珍しい正直者である。
お二人のお人柄に引かれて気がつけば私も、M社長の会社に幾度と通い、そしてそれがいつしか楽しみとなっていた。

U支店長をはじめ、この1年間にお世話になった方々や関係者の皆様に、この紙面をお借りして心から御礼を申し上げたい。本当に有難うございました。

そして、石川銀行との係争が結審し、M社長ご夫妻が半ば強引に投資させられた娘さんの結婚資金が無事に戻ることを、祈念している。

・・・・・・・・・・・・・ No.27

最後までお読み頂きありがとうございます。
次回もよろしくお願い致します。

【既に報道され公となっている名称や事実以外は、プライバシー考慮保護の観点からフィクションとさせて頂きますが、起こった現象は事実をお伝えしています。】


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石川銀行破綻の爪痕9

2011 - 11/10 [Thu] - 09:00

9.紆余曲折

平成21年10月下旬、再び銀行訪問をスタートした。

前向きに検討してくれる姿勢が見られた銀行に保証がつかなかった事情を説明し、何とかプロパーで融資を検討してくれるように頭を下げた。

プロパーで融資をしてもらうには、次のような数々の高いハードルがあった。

(1)個人への貸付
SPCからの借入金は、代表者個人宛のものであったので、銀行は個人の借金の肩代わり資金を貸すことになってしまう。初対面の還暦を迎えた一個人に、数千万円の貸付を、しかもプロパーで貸す銀行は、普通は無い。

(2)不動産の名義
銭湯の経営は法人にて行っていたが、担保となる不動産は代表者の個人所有であった。個人への貸付が馴染まないとして法人に貸し付けようとしても、法人の決算書には担保となるべき不動産が計上されておらず、他に目ぼしい資産もない。そんな法人に対して数千万円の融資をすることは無理があった。

さりとて個人名義の不動産を法人名義にしてしまうと、税金や諸経費で、10百万円程度の費用がかかることが判明した。数千万円の借入をするために10百万円もの経費をかけるのは、どう考えてもナンセンスである。

(3)劣後債務
劣後債務の4億円が残っている限り、決算書は大幅な債務超過のままであった。保証協会の保証がつくなら、こちらの説明や弁護士の「請求されないでしょう」という意見書でも通ったものの、プロパー融資でリスクが100%となれば話は別である。

(4)木村剛の逮捕
平成21年の途中から、木村剛がSPCの役員を退任した。
その後SPCの事業は、木村の悪影響を回避するべく他の役員が設立した新会社によって運営されていた。従い、木村剛が逮捕されたことと融資検討当時のSPCには直接の関係は無いはずである。しかしながら、金融機関はそう簡単ではない。風評を気にするためか、無関係であることを再三再四説明することになった。

(5)公的資金
融資を前向きに検討してくれていた銀行に公的資金が入ることになった。国の管理下に置かれた訳で、従前なら自分たちだけの審査で融資が出来たところ、その判断が一段高い機関に委ねられることになった。

・・・・・・・・・・・・・ No.26

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石川銀行破綻の爪痕8

2011 - 11/07 [Mon] - 09:00

8.保証協会

銀行を訪問した翌々週、信用保証協会を訪問し、経緯の説明と保証の依頼を行った。

経緯の説明はもうこれで9回目である。融資申込書10ページの内容全文を完全に暗記してしまった。

保証協会には、様々な保証のメニューがある。

運転資金、設備資金、円高対策資金、等など。
逆に言うと、メニューに当てはまらないイレギュラーな融資には保証は付けられないということだ。

今回の融資は強いて言えば 「再生資金」 に該当するらしい。

・企業の過大な債務が、整理回収機構に移管される
・銀行が整理回収機構から債権を買取る
・県の再生支援機構や商工会が、その企業を調査する
・調査の結果、再生可能と判断されれば、保証協会が1億円の保証をつける
・その保証を元に、銀行が1億円の再生資金を融資する
・企業は、銀行に返済を行う

ところが今回は、この銀行の役割を先にSPCが担っていた。

また、SPCの当初の所在地が、ラブホテルであったことも大きな問題となった。
SPCが購入した債権の債務者企業の住所を、彼らが借用したものと思われた。

保証協会の担当者はとても熱心に話を聞いてくれ、またM社長に同情的であった。

結局、理事会にまで諮って貰ったのであるが、最終的に保証は見送りとなってしまった。

大きな理由は、仮に保証を付けて融資を許容した場合、その資金はSPCへの返済資金となる。

民間の金融コンサルティング会社の利益を確定させるために(1億円-SPCが整理回収機構から仕入れた金額=SPCの利益)、国の保証を付与することは、制度に馴染まない、という理屈である。

平成21年10月初旬、保証協会の担当者から保証見送りの電話が入った。この時点で私は正直、今回の融資は無理だろうと思った。

理由はどうであれ整理回収機構送りになった案件であること、

融資姿勢に問題があるとされる日本振興銀行の会長が絡んでいること(逮捕されたのはもう少し後である)、

新規案件でプロパー融資(保証協会の保証が付かない融資=支払いがされなければ100%金融機関が損をする融資)の取組みとなる点、

これらを考えたときに、普通の金融機関なら好き好んで採り上げる案件では絶対に無いからである。

・・・・・・・・・・・・・ No.25

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石川銀行破綻の爪痕7

2011 - 11/03 [Thu] - 09:00

7.銀行廻り

平成21年7月3日、10ページに及ぶ融資申込書と決算書など厚さにして8センチほどの資料を山のように携えて、朝から銀行廻りをスタートした。

一行につき説明に1時間、質疑に1時間、合計約2時間の内容である。同じ内容の繰り返しと折からの猛暑で、頭が廻らず意識が朦朧としてくる。

元気付けに昼食は好物の蕎麦にしてもらった。翌日も同じ事を繰り返し、合計8か所の金融機関を訪問した。

最初の銀行で指摘されたことを次に訪問する先での説明に織り交ぜていく。

後に行くほど説明や書類が洗練されてくるので、本命の金融機関を午後の最後に訪問する予定を組んだ。この辺りの工夫は、場数の賜物かも知れない。

同じ銀行でも、新任の支店長がいる店を選ぶ。

銀行マンにとって「支店長になる」ことは大きな目標である。
そして支店長のその後の処遇は、支店長として最初に着任した支店での成績で決まってくる。よって新任の支店長には多少無理をしてでも融資の成績を上げようとする心理が働く。

どこの支店の支店長が新任なのかは、日経新聞などに載るのでその情報を活用する。

約1か月の検討の後、訪問した8か所の銀行のうち、3つの銀行が前向きに検討してくれることとなった。

その3つの銀行では、整理回収機構送りになった点は、説明の甲斐があってか、理解を得られたものの、新規取引なのでどの金融機関からも保証協会の利用を条件とされた。

焦げ付いた場合に、金融機関が貸し付けた金額の80%を保証協会が負担してくれるからである。

・・・・・・・・・・・・・ No.24

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石川銀行破綻の爪痕6(3)

2011 - 10/31 [Mon] - 09:00

6.借入申込書の作成(3)

(3)問題点の列挙とその回答

今回の融資申込みでは、いくつかの問題が予想された。こういう場合には、借りる側自らが正直に、前もって問題点を列挙して、その一つ一つに回答を準備していくというスタイルが望ましい。これは私が銀行の融資部門時代に学んだことである。

予想される指摘と我々の回答は、以下の通りであった。

1.石川銀行が破綻した際に貸付金債権が整理回収機構に移管されているという事は、それだけ業績が悪かったという事ではないのか?

(弊社回答)
石川銀行からの借入金の返済期間ですが、別表の通り20年や30年と突出して長くなっております。当初からこのような長期の返済期間を許容されておりました。
平成13年に策定された私的整理ガイドラインの趣旨から考えますと返済期間として
は長くても10年が妥当だと考えますが、借入当時は石川銀行が弊社の返済能力に
合わせて返済期間を設定してくれていました。

ところが石川銀行が破綻し、「20年~30年」のモノサシが「10年」となり不良債権に
区分され、整理回収機構に移管されたものであると理解しております。

「業績が悪かったから整理回収機構に移管された」 のではなく、

「モノサシが変更された結果不良債権と区分され整理回収機構に移管された」

と考えております。

2.借り換え前の返済期限は平成27年9月となっている。即ち今回の申し出は、このまま返済を続ければ後6年で終わる支払い期間を10年に延長する一種のリスケ(条件変更)だと考えられる。

(1)リスケを依頼するなら現在の借入先に依頼するのが筋であるし、

(2)肩代わり資金を融資せよと言うならリスケではなく、借入期間も現行の条件と揃えるべきではないのか?

(弊社回答)
(1)のご指摘はごもっともだと考えますが、借入先のSPCからは毎月の報告会の席上で、「こういう情勢で皆さんの経営状況も決して楽観できない。一般の金融機関から借入を起こして早くうちを卒業してくれ(優先返済分を借り換えして完済してくれ)」 と言われております。今般の申し出はこういう背景もあってのことです。

(2)のご指摘についてもごもっともですが、我々は以下のように考えます。

①返済期間を現行の6年から10年に延長する理由は、資金繰りの改善のためです。現状でも支払いは不可能ではありませんが、将来の改装などに備えて返済期間を長く取りたいという趣旨です。

②また貸し手側から見た与信リスクは、

・今回の融資は、返済期間6年→10年の実質的リスケに応じる事と等しいが、10年
の期間を設定すれば、債務者企業においてその間に将来の改装費、修繕費の蓄え
が今よりも可能となり、将来それらの資金要請を受ける可能性が低くなり、リスケはす
るものの与信残高は減る一方である。

・返済期間を6年のままで融資に応じれば、実質的なリスケをするというリスクは回避
できるものの、債務者企業においては将来に備えた蓄えをする余裕が無くなるので、
改装費や修繕費の融資要請が来る可能性が高まり、要請に応じれば与信残高が増
えてしまう。

と、どちらにしても同じではないかと考えます。

即ち、実質的なリスケを許容してしまう与信リスクと、将来の融資残高が増えてしまうという与信リスクの比較衡量となるのではないか、と考える次第です。

・・・・・・・・・・・・・ No.23

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